悪の秘密結社・ブラックスパイダー


えらい人の机の上ってなんでいつもきれいなんだろ?




原作の敵が多岐に渡りフォローしきれないためか?勧善懲悪のストーリーを明確にするためか、さらには政治的配慮?なのか、
実写版のワイルド7は全編を通じて悪の秘密結社・ブラックスパイダーを相手に激闘を繰り広げる。

ただし、先にも触れたが、ワイルド7は国際的な警察組織であるということ。ブラックスパイダーが関与している事件以外にも警察権を行使する仕事は堆積しているのである。

解散時、草波隊長や、他のメンバーがそのことに気づいていたかどうか・・・。多分気づいてないだろう。


1. ブラックスパイダーとは?

世界征服を目論む首領・ゴールデンサタンに率いられた悪の秘密結社。その規模は杳としてつかめない。
設立は1953年と、意外と古い(最終回の草波のセリフより)組織である。草波の言を借りると、「世界征服を目論む悪の組織」・
「そこら辺の暴力団とは格が違う」とのこと、その都度スケールが伸縮する謎の可変組織である。

強引に位置づけると「国際テロ集団以下・暴力団以上」との図式が成り立つ。

世界征服を目論む組織としては今ひとつ組織のスケールが弱小だと思う。「そのやり口は残忍無比」とのことだが、最近日常茶飯で発生している犯罪と比較すると児戯に等しい。今時の未成年者のほうがよほど怖い。

最終的には地球征服を目標としている(第5話「怪力、ヘラクレス」)らしいが、世界=地上征服だけでは満足しないその欲深さは脱帽ものである。地上の次は海底のノンマルト征服や地底のユートム征服でもやるのだろうか?
(ウルトラセブンがすきなのでつい・・・。)

仮に全世界を征服しても、次に派閥争いによる共食いが発生することは必至。腹八分目にして敵を残しておいたほうが自分らの身の保全にもなるような気がするが。

余談ではあるが、彼らはあまりおりこうではないことが、この写真から想像できる。
さらに途中から組織のマークが「ホワイト・スパイダー」になったことを本人たちは気づいていたのだろうか?


2. 拠点

この組織をいっそう難解にしているのが本拠地の場所である。撹乱戦術だとすれば座布団10枚、ハワイ旅行ものである。
第3話「恐怖のブラックスパイダー」では「東南アジア某所」、6話「洗脳された映子」では「パリ」(写真参照)
最終回25話「スパイダーの最後」ではなんと!「東京某所の地下50階」!!わずか半年の間に3回転居、しかも国際規模から一気に国内規模に縮小しているのである。ワイルド7の拠点である東京都内にわざわざ引っ越してくるとは、いったい全体何を考えているのだろう?
退治されたいのだろうか?

余談ではあるが、最終回の一回前、24話「バラの弾痕」では日本は単なる「支部」扱い(この方が支部長)!地下50階の本部となると建設にかかる日数は並大抵のものではないだろう。(地下50階って・・・うっかり温泉掘り当てたら?「退治」の前に「湯治」か?うらやましい。)となると、しばらくの間、日本には支部と本部が同時期に別の場所に存在した時期があったはず。指揮系統の混乱を招かないのだろうか?

また、東京本部建設には「丸ビル」が立つくらいのコンクリートが使われていたそうだが(最終回によると、しかもそのコンクリを一回で購入したことで足がついたらしい。頭がいいのか悪いのか・・)そんな大規模工事を誰一人として気づかないとは、警察もワイルドも何やってるんだ?
本部の引越しだってかなり目立つだろうに・・・。追求するほどに訳がわからん。


3. 組織の人事

東南アジア本部→パリ→東京とわずか半年のうちにめまぐるしく本部が移転するスパイダー。その人事もめまぐるしいことこの上ない。

構成員はなぜか全員日本人(1話「復讐のヘアピンサーカス」のオズボンは外国人だが、スパイダー登場以前なので除外。スパイダーとの接点はあるようだが。→写真)である。階層は首領ゴールデンサタンを頂点に、衣装で上級幹部、中級幹部、戦闘員の役職に分かれているらしいことが確認できる。別働隊として青年部もあるらしい。

男女雇用機会均等法に先駆けて女性幹部が指揮を執り(18話「赤い星を狙え」)、婦人部隊(16話「アローファイアー」)も存在するなど、
先進的な反面、毎週退治される幹部の欠員補充が追いつかず、とうとう高校生をスカウトする(20話「殺してやる!!」)までに!国際的組織なのだから人材は豊富なはずだが?

ちなみに構成員の総数だが、最終回に壊滅したスパイダー本部の総数が約100〜150人。本部でこの規模なのでどう見積もっても1万〜2万人くらい?約1個師団程度で世界征服ができると考えているならば相当おめでたい。さらに東京本部が壊滅と同時に自然消滅したようだが、後継を考えていなかったのか?それともそんなことで消滅するほど薄っぺらい組織だったのか?

余談だが、3話「恐怖のブラックスパイダー」で、幹部「まぼろし将軍」が「組織を知るものには、必ず死が訪れる」と言っていたが、とすると永久に構成員0人?実に謎が多い組織である。


4. 彼らの凶悪?犯罪

小はヘロイン密輸&武器密造から大はミサイル強奪まで実に幅広いが、あまりに大小の開きが大きいような。

レーザーガンや、死人を再生させる装置まで開発していた。また、大型電子計算機を使用したイラク国有銀行襲撃事件や超人的トレーニングを施した殺人部隊による要人暗殺など、「やはり国際秘密結社?」と思わせる事件も3話に1回くらいは起こしている。

多額の賄賂で刑事を買収して、冤罪でワイルドを逮捕させ、その間に偽ワイルドを使って社会を混乱させるなど、知能犯的な冴えを見せたりもする(17話「やさぐれ非常線」)。結構いい線行っているのである。

その気になれば世界征服という初志を貫徹することも可能だったはずなのである。

が、なぜか失敗続き・・・。挙句の果てには組織の資金繰りがうまくいかないのか、犯罪の規模はそこら辺のガキでも思いつくような内容まで低下・・・たかだかトラック一台分のニトロを強奪して東京を廃墟にしようとする何とも無謀な作戦も実施されたこともある。
12話「悪魔のライダー」の連続射殺魔にいたっては、世界征服とはまったく関係ないような・・・。

占領行政の第一歩は民衆の心を掌握するということだということをこの方々は知らないのだろうか?恐慌状態にしてどうする?本気で世界征服する気があるのか?

そして決まって物語の最後には全員がワイルドに射殺されるというお粗末さ。(下の写真)
こんなにいるにもかかわらずあっさり全滅。補充と後始末が大変。


挙句の果てには最終回、奥多摩の地下に50階建ての秘密基地を作ったにもかかわらず途中階を作らなかった(テレビでは50階直通!)ためにあっさりとワイルドの侵入を許してしまい壊滅。実にトホホである。頭がいいのか悪いのかよくわからない・・・なんだかなあ。少し同情。


5.ところがどっこい!いかのおっぱいたこがひっぱる!!

最終回「スパイダーの最後」で壊滅したはずのスパイダー・・・
だが、油断してはいけない!壮絶なドラマの中で目立たなくなってしまったが、たった一人生存幹部がいたことにお気づきだろうか?
・・・その人物とは!?→こたえ